時代劇スタッフ人別帳 「え」


遠藤 克己えんどう・かつみ? 〈照明〉
遠藤克巳 遠藤克已
1942年生

 千葉県外房の生まれ。高校卒業後、兄の知人(日活衣裳部)の伝手で日活スタッフ募集に応募して合格。その衣裳部員の親友が照明部で、そこへ預けられる形で照明助手になる。初仕事は石原裕次郎主演、滝沢英輔監督の『あじさいの歌』だったという。
 助手としてはフォース(スタジオ上部から吊る照明=荷重を担当)のトップになっていた1968~69年頃、映画が斜陽期にさしかかってきたこともあり、本人は不本意だったもののテレビ部門(日活芸能のことか)に引き抜かれる。しかし本編よりも所帯が小さいテレビでは、活躍の場は大いにあって発奮。
 12年いた日活を後にして1972年から三船プロへ移籍。『大江戸捜査網』で一本立ちする。三船プロにも12年在籍し、その後フリー。主として2時間ドラマなどに携わるが、ライティングの確かさから「綺麗に当ててくれる」と女優からの信望は厚かったという。
 花と焚き火を愛し、何より礼節を重んじる人柄。担当する照明の範囲を超えて、現場の準備やスタッフ陣営のケアなども気を配るというオールマイティな仕事への姿勢は、かつて在籍していた三船プロの社長こと世界のミフネにも通じるものがある。
 照明の理想として語るには、〈……ライティングしていることがわからない、ライトや光源を感じさせないことです。自然にドラマのディティールを作ることが、一番いいライティングだと思うんです〉(2018/08/18)

〈担当作品 映画〉
 ・1979年 『戦国自衛隊』(角川春樹事務所/配給=東宝)
 ・2004年 『スクール・ウォーズ HERO』(「スクール・ウォーズ HERO」製作委員会/配給=松竹)

〈担当作品 テレビ・連続〉
 ・1973/09/22~1974/03/16 『大江戸捜査網(杉良太郎3)』制作=東京12チャンネル/三船プロダクション
 ・1974/03/23~1979/09/15 『大江戸捜査網(里見浩太朗)』制作=東京12チャンネル/三船プロダクション
 ・1979/09/22~1982/09/25 『大江戸捜査網(松方弘樹1)』制作=東京12チャンネル→テレビ東京/三船プロダクション
 ・1982/10/05~1983/03/29 『暁に斬る!』制作=関西テレビ/ヴァンフィル(協力=三船プロダクション)

〈担当作品 テレビ・単発〉
 ・1982/06/12 『殺人刑事が愛した女 一億八千万円は誰のもの?制作=トリッセンエンタープライズ/TBS
 ・1982/10/29 『素浪人罷り通る(3) 血煙りの宿』制作=三船プロダクション/フジテレビ
 ・1985/02/05 『描かれた女』制作=日本テレビ/三船プロダクション

※(参照:#26


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最終更新:2018/08/18

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