時代劇スタッフ人別帳 「ま」


松島 稔まつしま・みのる 〈監督〉
1930年12月12日生 2005年7月3日没(享年74歳)

 中村プロダクションでの(というか萬屋錦之介との)仕事が多い印象の監督だが、『日本映画テレビ監督全集』によると、51年日本大学芸術学部を卒業したのち聯号映画(表記ママ。これは連合映画のことか)、北欧映画、銀座プロを経て東映東京テレビプロダクションに移ったとある。してみるとヨロキンとの接点は『さすらいの狼』(1972年)あたりからということになろうか。
 他にも刑事ドラマや2時間ドラマなどを多々手がけている。映画の監督作品はなく、テレビ街道一筋の「職人」だったという印象を受ける。(2014/02/13)

〈担当作品 テレビ・連続〉
 ・1961/10/11~1977/03/30 『特別機動捜査隊』制作=NET/東映
 ・1972/04/05~1972/09/27 『さすらいの狼』制作=NET/東映
 ・1973/04/01~1973/09/30 『子連れ狼(1)』制作=ユニオン映画/スタジオシップ
 ・1973/04/05~1974/03/28 『非情のライセンス(1)』制作=NET/東映
 ・1973/10/02~1977/10/11 『伝七捕物帳』制作=ユニオン映画(協力=前進座/バリアンツ)
 ・1974/04/07~1974/09/29 『子連れ狼(2)』制作=ユニオン映画/スタジオシップ
 ・1974/10/03~1977/03/31 『非情のライセンス(2)』制作=NET/東映
 ・1975/04/06~1975/09/28 『長崎犯科帳』制作=ユニオン映画(協力=中村プロダクション)
 ・1977/04/06~1987/03/26 『特捜最前線』制作=テレビ朝日/東映
 ・1977/10/18~1982/11/16 『新五捕物帳』制作=ユニオン映画
 ・1979/04/09~1980/03/17 『鉄道公安官』制作=テレビ朝日/東映
 ・1979/04/16~1979/12/24 『赤穂浪士』制作=テレビ朝日/東映/中村プロダクション
 ・1979/09/22~1982/09/25 『大江戸捜査網(松方弘樹1)』制作=東京12チャンネル→テレビ東京/三船プロダクション
 ・1979/10/25~1982/03/25 『長七郎天下ご免!』制作=テレビ朝日/東映
 ・1980/05/01~1980/12/04 『非情のライセンス(3)』制作=テレビ朝日/東映
 ・1982/04/20~1982/10/12 『鬼平犯科帳(3)』制作=テレビ朝日/東宝/中村プロダクション
 ・1982/10/02~1983/09/27 『大江戸捜査網(松方弘樹2)』制作=テレビ東京/ヴァンフィル(協力=三船プロダクション)
 ・1983/03/05~1987/03/07 『暴れん坊将軍II』制作=テレビ朝日/東映
 ・1995/10/09~1995/12/25 『あばれ医者嵐山』制作=テレビ東京/ユニオン映画(協力=東映太秦映像)

〈担当作品 テレビ・単発〉
 ・1981/12/11 『宿命剣鬼走り』制作=フジテレビ/中村プロダクション(協力=東映)
 ・1982/01/02 『竜馬がゆく』制作=テレビ東京/中村プロダクション
 ・1982/07/08 『地獄の左門十手無頼帖(3) 女菩薩供養』制作=東映/フジテレビ
 ・1983/09/09 『秘境 黄金谷の決闘』制作=東映/フジテレビ
 ・1984/03/15 『地獄の左門十手無頼帖(4) 声を盗まれた娘』制作=東映/フジテレビ
 ・1990/08/11 『豪華ヨット初恋ツアー殺人事件 リゾートビーチ南紀白浜二泊三日の旅制作=テレビ朝日/にっかつ撮影所
 ・1991/01/12 『L特急踊り子号殺人事件 天城越えの女 緊急停車の謎を追って…制作=テレビ朝日/東映
 ・1991/01/26 『大密室殺人事件(1) 殺された息子からの脅迫状 黒猫が知っているトリックの怪!制作=テレビ朝日/東映
 ・1992/09/12 『鳥羽・賢島同期会ツアー殺人事件 殺意の出世物語、濡れた浴衣の秘密…制作=テレビ朝日/東宝

※(参照:#1#5

松田 寛夫まつだ・ひろお 〈脚本〉
2022年3月24日没(享年88歳)

 京都市出身。
 神波史男との共同脚本で『人斬り与太 狂犬三兄弟 』(72年)や『女囚さそり』シリーズ(72-73年)、さらには『実録銀座私設警察』(73年)、『0課の女 赤い手錠』(74年)といった異様な傑作を放ち、一時期の東映実録/バイオレンス路線を支えたライター。単独での執筆は少なく、どの作品のどの辺りがこの人のカラーなのか見極めようとしてもなかなか困難なのだが、後々も『柳生一族の陰謀』(78年)で家光の首を落としたり、『激突 将軍家光の乱心』(89年)でまたもや家光をブッ殺したりと、“やってくれる”脚本家の一人と吉外@サイト主は勝手に見なしている。
 日下部五朗プロデューサーの著書を読んで初めて知ったのだが、東映時代劇映画の全盛期を支えた松田定次(監督)・松浦築枝(女優)夫妻の養子だそうである。満映に勤めていた実父を亡くしたのち、御母堂が太秦でお針子仕事をしており、そういった縁から東映京都の定次氏の目に留まったという。養父・定次氏とは松竹での『めくらのお市 地獄肌』(69年)で一度だけ組んで仕事をしている。
 2022年3月24日、悪性リンパ腫により都内の病院にてご逝去。(2014/02/13)

〈担当作品 映画〉
 ・1966年 『網走番外地 大雪原の対決』(東映東京)
 ・1968年 『恐喝こそわが人生』(松竹大船)『めくらのお市 地獄肌』(京都映画/配=松竹)
 ・1971年 『博徒外人部隊』(東映東京)
 ・1972年 『女囚701号 さそり』(東映東京)『人斬り与太 狂犬三兄弟』(東映東京)『女囚さそり 第41雑居房』(東映東京)
 ・1973年 『実録銀座私設警察』(東映東京)『女囚さそり けもの部屋』(東映東京)『前科おんな 殺し節』(東映東京)『女囚さそり 701号怨み節』(東映東京)
 ・1974年 『0課の女 赤い手錠』(東映東京) 『安藤組外伝 人斬り舎弟』(東映東京)
 ・1976年 『必殺女拳士』(東映東京)『横浜暗黒街 マシンガンの竜』(東映東京)
 ・1977年 『新宿酔いどれ番地 人斬り鉄』(東映東京)『日本の仁義』(東映京都)『仁義と抗争』(東映京都)
 ・1978年 『柳生一族の陰謀』(東映京都/東映太秦映画村)『宇宙からのメッセージ MESSAGE FROM SPACE』(東映京都/東北新社/東映太秦映画村)
 ・1979年 『その後の仁義なき戦い』(東映京都)
 ・1980年 『徳川一族の崩壊』(東映京都)
 ・1982年 『誘拐報道』(東映東京/日本テレビ/配給=東映)
 ・1984年 『序の舞』(東映京都)
 ・1986年 『道』(東映京都/仕事/配給=東映)
 ・1987年 『夜汽車』(東映京都)
 ・1988年 『花園の迷宮』(東映京都)
 ・1989年 『激突 将軍家光の乱心』(東映京都)『社葬』(東映京都)
 ・1992年 『継承盃』(東映京都)『天国の大罪』(東映/テレビ朝日)
 ・1994年 『新極道の妻たち 惚れたら地獄』(東映京都)『東雲楼 女の乱』(東映京都)

〈担当作品 テレビ・連続〉
 ・1968/10/04~1969/03/28 『河童の三平 妖怪大作戦』制作=NET/東映
 ・1969/04/07~1974/09/30 『プレイガール』制作=東映/東京12チャンネル
 ・1970/04/04~1970/09/26 『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』制作=東京12チャンネル/東映
 ・1974/04/06~1974/09/28 『白い牙』制作=大映テレビ
 ・1975/10/18~1976/03/27 『影同心II』制作=毎日放送/東映

〈担当作品 テレビ・単発〉
 ・1982/01/28 春の傑作劇場 ラスト・チャンス』制作=テレビ朝日/東映(協力=霧プロダクション)

※(参照:#4#27


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最終更新:2022/05/30

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