時代劇スタッフ人別帳 「や」


山田 一夫やまだ・かずお 〈撮影〉
1919年3月25日生 2006年1月29日没(享年86歳)

 東京都出身。東京商工応用化学科卒。1939年に東宝撮影所へ入社。『ハワイ・マレー沖海戦』『日本剣豪伝より 血闘柳生谷』などの三浦光雄、初期黒澤映画を支えた中井朝一に師事。撮影監督デビューは『熱砂の白蘭』(製作:第一協団/配給:東宝)とある。
 マキノ正博や稲垣浩ら巨匠との仕事も多く、戦後東宝を代表するカメラマンの一人と言えるが、のちに三船プロと契約。三船敏郎との縁は深く、有名な三船の東宝入社エピソード(あまりにも色々な文献に載っているのでここではクドクドと述べない)の際も、実は山田一夫が、撮影部で引き取る腹づもりで審査員の監督らに三船採用を頼んだとのことである。
 佐藤忠男・編による『日本の映画人』では1973年に三船プロと契約したとあるが、同社との接点はもっと以前からであり、正確なところは判らない。(2015/12/06)

〈担当作品 映画〉
 ・1952年 『次郎長三国志 第一部 次郎長売出す』(東宝)
 ・1953年 『次郎長三国志 第二部 次郎長初旅』(東宝)『次郎長三国志 第三部 次郎長と石松』(東宝)『次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港』(東宝)『太平洋の鷲』(東宝)
 ・1956年 『宮本武蔵完結篇 決闘巌流島』(東宝)
 ・1958年 『無法松の一生』(東宝)
 ・1959年 『日本誕生』(東宝)
 ・1960年 『暗黒街の対決』(東宝)『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』(東宝)
 ・1961年 『ゲンと不動明王』(東宝)
 ・1962年 『忠臣蔵 花の巻・雪の巻』(東宝)
 ・1966年 『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(東宝)
 ・1967年 『上意討ち 拝領妻始末』(三船プロ/東宝)
 ・1969年 『風林火山』(三船プロ/配=東宝)『新選組』(三船プロ/配=東宝)
 ・1970年 『待ち伏せ』(三船プロ/配=東宝)『激動の昭和史 軍閥』(東宝)
 ・1979年 『隠密同心 大江戸捜査網』(東京12CH/配=東宝)

〈担当作品 テレビ・連続〉
 ・1968/10/08~1969/04/01 『五人の野武士』制作=三船プロダクション/日本テレビ(協力=東宝)
 ・1972/01/04~1973/03/27 『荒野の素浪人(1)』制作=NET/三船プロダクション
 ・1973/03/24~1973/09/15 『旅人異三郎』制作=東京12チャンネル/三船プロダクション
 ・1973/09/22~1974/03/16 『大江戸捜査網(杉良太郎3)』制作=東京12チャンネル/三船プロダクション
 ・1974/01/05~1974/03/30 『浮世絵 女ねずみ小僧(3)』制作=フジテレビ/三船プロダクション(協力=C・A・L)
 ・1974/03/23~1979/09/15 『大江戸捜査網(里見浩太朗)』制作=東京12チャンネル/三船プロダクション
 ・1975/04/01~1974/09/30 『剣と風と子守唄』制作=三船プロダクション
 ・1976/10/02~1977/03/26 『江戸特捜指令』制作=毎日放送/三船プロダクション
 ・1978/08/12~1978/08/26 『横溝正史シリーズII 女王蜂』制作=毎日放送/三船プロダクション
 ・1979/02/12~1979/08/06 『江戸を斬るIV』制作=C・A・L(協力=三船プロダクション)
 ・1979/09/22~1982/09/25 『大江戸捜査網(松方弘樹1)』制作=東京12チャンネル→テレビ東京/三船プロダクション
 ・1982/10/02~1983/09/27 『大江戸捜査網(松方弘樹2)』制作=テレビ東京/ヴァンフィル(協力=三船プロダクション)

※(参照:#14#15

山本 又一朗やまもと・またいちろう 〈プロデューサー〉
山本又一郎
1947年10月25日生

 鹿児島県出身。18歳のときに劇画家さいとう・たかをのさいとうプロに入社。23歳でテレビ番組の企画会社を設立し、翌年、さいとうプロを脱退した小池一雄のスタジオシップに参加。テレビ『子連れ狼』や映画『鬼輪番』など小池作品の映像にあたってプロデューサーをつとめる。
 30歳のとき、日仏合作の実写映画『ベルサイユのばら』製作のためスタジオシップを退社。しかし何といっても代表作は長谷川和彦監督のカルト的傑作『太陽を盗んだ男』ではないか。
 そののち『あずみ』2作などやはりコミック原作の映画を作っていたが、ついにこのほど小栗旬主演の実写版『ルパン三世』をも手がけた。目黒祐樹が主演した1974年の『ルパン三世 念力珍作戦』と違って評判が良かったのはご承知の通りである。(2015/02/06)

〈担当作品 映画〉
 ・1974年 『鬼輪番』(東宝/国際放映)『神田川』(東宝/国際放映)
 ・1979年 『ベルサイユのばら』(キティ・ミュージック・コーポレーション/配=東宝)『太陽を盗んだ男』(キティ・フィルム・コーポレーション/配=東宝)『がんばれ!! タブチくん!!』(東京ムービー新社/配=東宝東和)
 ・1980年 『がんばれ!! タブチくん!! 激闘ペナントレース』(東京ムービー新社/配=東宝東和)『がんばれ!! タブチくん!! あゝつっぱり人生』(東京ムービー新社/配=東宝東和)
 ・1983年 『小説吉田学校』(フィルムリンク・インターナショナル/配=東宝)『ゴルゴ13』(東京ムービー新社/フィルムリンク・インターナショナル/配=東宝)
 ・2003年 『あずみ』(あずみ製作委員会/配=東宝)
 ・2005年 『あずみ2 Death or Love』(あずみ2製作委員会/配=東宝)
 ・2014年 『クローズEXPLODE』(クローズEXPLODE製作委員会/配=東宝)『ルパン三世』(ルパン三世製作委員会/配=東宝)

〈担当作品 テレビ・連続〉
 ・1973/04/01~1973/09/30 『子連れ狼(1)』制作=ユニオン映画/スタジオシップ
 ・1974/04/07~1974/09/29 『子連れ狼(2)』制作=ユニオン映画/スタジオシップ
 ・1976/04/04~1976/09/26 『子連れ狼(3)』制作=ユニオン映画/スタジオシップ(協力=中村プロダクション)

※(参照:#9


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最終更新:2017/04/03

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